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今すべてが始まる

キスマイYummy!!Toxxxic×吟遊詩人ビードルの物語(トラジャ担目線)

※Kis-My-Ft2のコンサートYummy!! you&meにて披露された、

藤ヶ谷太輔さんのソロ曲Toxxxicの亡霊と化した、

Travis JapanファンのToxxxicへの

止まらない思いを書き殴っております。

 

 

昔々ある所に、ノエル、シメ、カイト、ウミの
トラジャ家の4兄弟が暮らしていました。
ある日、科学者・フジガヤの姿形をした「闇」が4人の住む町にやってきました。良心の欠如した「闇」は、その町で病を流行らせ、
人々を恐怖の渦に陥れようとしました。

しかし、トラジャ家の4兄弟は人を癒す力を持っていたので、
「闇」が流行らせた病に罹った人々を救うことができました。

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「闇」は怒っていました。
「闇」の恐怖に屈することなく立ち向かい、
人々を癒すことができたのは、4兄弟が初めてだったからです。

長男ノエルは、小さい頃から利発で人一倍責任感が強かったので、
医学の道を志しました。
医者になるという目標を達成したノエルは、医者として「闇」の流行り病に効く薬を創り出し、
町の人々を救いました。


しかし、たった1人救えなかった人がいました。
それは元々重い病を患っていた4兄弟の母でした。


完璧であることを是としていたノエルは、母を失ったことのつらさと、
救えなかった自分への失望で嘆き悲しみました。
「闇」は狡猾でした。
「君の大切なものと引きかえに、二度と人を死なせない力を与えよう」
ノエルは、絶対に人を助けるためには、
どんな薬でも創り出し、どんな手術でもこなせるようになるためには、
自分の感情が邪魔になると考えました。
ノエルは感情を「闇」に差し出し、二度と人を死なせない力を得ました。
しかし、感情を失ったノエルは、患者の心情に寄り添うことができなくなりました。
腕は確かでしたが、心が通うことのないノエルを信頼できなくなった人々は、
ノエルから離れていきました。

 

ノエルは、ノエルのそばを決して離れようとしなかった「闇」だけを、
怪我や病気から救い続けました。
「闇」はノエルを得ました。

 

次男のシメは生まれた時から玉のようなお子だと言われ、美しく成長しました。
シメは容貌だけでなく心も美しかったので、
分け隔てなく皆に優しく接し、町中の人々から愛されて育ちました。
「闇」が病を流行らせた時には、罹った人々を看護し、癒しました。


しかし、シメには1つだけ恐れていることがありました。
それは、美しい容貌が失われることでした。


心の美しさが大切なことは分かっていましたが、
老いて美しい容貌が失われれば、
自分が自分らしくいられなくなってしまうのではないか、という恐怖がありました。
それほどまでに、シメにとって自分の美しさは、
当たり前の揺るぎない存在だったのです。
それは、日々の生活を送っている間は全く感じることがないほど
小さく微かなものでしたが、確固たる実体を持って存在していたので、
ふとした瞬間にその恐怖と対峙した時、シメは心の中で
それを見ることも触ることもできました。
「闇」はそれを見逃しませんでした。
「君の大切なものと引きかえに、衰えることのない永遠の美しさを与えよう」

 

シメは、心が美しく見目麗しい自分が
人に勇気を与え、人々から愛されることを強く望んでいました。
しかし、外見の美しさを失うことを恐れている今の自分は、
心の美しさが完全ではないと感じていました。
心の美しさを完全なものにするためには、永遠の美しさが不可欠だ、
と考えたシメは、自ら愛する心を差し出し、
老いることのない永遠の美しさを得ました。
しかし、シメは慈しみ愛する心をなくしてしまったので、
今までのように人々に真心を持って接することができなくなりました。

 

「愛されたい」という自分の欲望だけが暴走してしまったのです。

 

やがて、人々はシメの変化に気づき、
そして衰えることのない不自然なほどのシメの美貌に恐怖を抱き、
シメから離れていきました。

シメから絶対に離れなかった「闇」は、言葉巧みにシメの美しさを褒め称えました。
シメは自分の美しさを称賛する「闇」のそばを離れることができなくなりました。
「闇」はシメを得ました。

 

三男のカイトは演じることが好きでした。
小さな頃におゆうぎ会で主役を務めたことがきっかけで、
演劇の世界にのめり込んでいきました。
町の人々は流行り病に冒された後の病み上がりの時期も、
カイトの劇団の舞台を観に行くことを心の糧にしていました。
カイトの演技には、観る者を魅了し、夢の世界に誘い、
歓びと感動でいっぱいにする、不思議な力があったからです。

 

しかし、カイトは人々からの拍手喝采を浴びれば浴びるほど、
自分が今できている演技と、自分の理想の演技との間に、
あまりにも大きな差があることを突きつけられ、もがき苦しんでいました。
カイトの理想はあまりにも高く、自らを蝕むほどのものでした。

「闇」は、もっともっと、この世のものとは思えない程に、
カイトが苦しみに喘ぐ姿を見たいと考えました。
「君の大切なものと引きかえに、理想の演技ができる力を与えよう」

カイトは、自分の理想の演技をするためには、
役の中に100%入り込まなければならない、と考えていました。
そのためには、自分に意志は必要ない、と、
カイトは自分の意志を差し出し、理想の演技をする力を得ました。


次の日から、カイトは舞台で役に完全に入り込み、
自分の理想の演技を体現できるようになりました。
しかし、その演技には、カイトがそれまでに持っていた、
演技すること、表現することへの渇望が抜け落ちていました。
その渇望こそが、人々に煌めいて見えていたものだったのです。

 

カイトの演技に心動かされることがなくなった人々の足は、
次第にカイトの舞台から遠のいていきました。
舞台の最後の観客となった「闇」は、カイトの演技を冒涜しました。

 

「もうお前の演技を観る者はいない。私の前でしか演じることはない。
しかし、私がお前の演技で心動かされることはない。
お前は、その苦しみから逃れられないのだ」

 

カイトは喚き苦しみながら「闇」の前で演じ続けました。
「闇」はカイトを得ました。

 

四男のウミは、踊りが大好きで笑顔がチャーミングな男の子。
「闇」が病を流行らせた時も、ウミの踊りと屈託のない笑顔は、
人々を元気づけ、明日を生きる活力を与えました。
とても気分屋で、18才になってもまだ小学生と見紛うような性格でしたが、
踊っている時のいきいきとした表情と、気分が乗らない時の眠たそうな表情との
落差が激しく、その落差で町中の老若男女を虜にしていました。

ウミが急に気分が乗らなくなる理由は、自信のなさから来るものでした。
自分が正しいことをしているのか、やりたいことができているのか、
自分の踊りは人にエネルギーを与えられているのか、
そんなことに自信が持てないと気づいた瞬間に、
ウミの気分屋がひょっこりと顔を出します。
「闇」にとって、ウミを騙すことは取るに足らないことだと
思われました。
「君の大切なものと引きかえに、漲る自信を与えよう」

ウミは、「闇」が信用できる人物なのか分からなかったので、
「闇」の言葉を信じることに、自信がありませんでした。
また、最近兄たちの姿が見えないのは、兄たちが「闇」と接触するように
なってからだ、と見抜いてもいました。
「その前に、兄たちの居場所を知っているのなら教えてほしい」
とウミは言いました。
「闇」は、ウミの洞察力に驚きながらも、
「いいだろう。ついて来なさい」とウミをフジガヤの実験施設に案内しました。


そこでウミが見たものは、兄たちの変わり果てた姿でした。

感情をなくし、「闇」に仕え、「闇」だけの怪我や病気を癒すノエル。
美しさと愛されることを欲するあまり、愛することを永遠に失ったシメ。
慟哭しながら人の心を動かすことのできない演技をし続けるカイト。

 

ずっと一緒に仲良く暮らしてきた、優しくて尊敬していた兄たちの
変わり果てた姿を見て、ウミは正気を失ってしまいました。
生きる気力や自分の意志、感情、全てを失ったウミは、
「闇」の作る薬を飲み続けなければ、生きられない身体になりました。
「闇」はウミを手に入れました。

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